読み聞かせを通じて伝えたいこと
読み聞かせグループ「いっちゃん会」 土田 ヨウ子 さん
昭和62年に読み聞かせグループ「いっちゃん会」を結成。寒河江市立図書館を拠点に、館内、小学校、公民館、老人施設等で絵本、紙芝居、エプロンシアター等の他、「作って遊ぼう」などで活動中。
パパ・ママへの子育てメッセージ
読み聞かせグループ「いっちゃん会」は、毎月第1土曜に研修会、第3土曜の午後に読み聞かせの活動をしています。部屋がいっぱいになる日もあれば、2~3人という日もあり、乳幼児から3,4年生までと年令差もありますが、何とか対応しています。
絵本や紙芝居を集中して見ている子どもの姿は、嬉しいものです。絵本は、たくさんの言葉や、世の中の決まり事、昔の風習など、知らない世界への視野を広げてくれます。また、知らない人と一緒に見たりすることで、周りへの気遣いや思いやり、礼儀などが自然に身につくと思っています。
紙芝居を読んでいる時、関心が強まって絵のそばに寄って来たり、パネルシアターの後ろをのぞきに来たり、大声を出す子もいます。そんな時にそっと連れ戻したりするのはやはりお母さん達の役目だと思います。私達は、子ども達が興味を持った本をどんどん読んでくれるように期待しながら、そのきっかけとなるためのお手伝いをしていると思っています。
図書館で読んでもらって終わりではなく、同じ本、似たような本、そしてもっと違う分野の本へと興味の範囲を広げてもらえたら嬉しいです。その手助けをして下さるのは、やはり家族の方達だと思います。
繰り返し読んであげるのが本来のブックスタート
近頃は「ブックスタート」という言葉もあり、乳幼児健診の時などに絵本を見せたり奨めたりしているようですが、これもまたひとつのきっかけだと思います。両親や祖父母の膝の上で繰り返し読んであげるのが、本来のブックスタートだと思います。
子どもは、気に入った本は何度も聞きたがり、同じ場面で何度でも喜んだり悲しんだりします。図書館や保健所での読み聞かせは、あくまで一過性のものですから、「おもしろかったね」で終わってしまいます。同じ本を読む時にわざと間違えて読むと「違うよ」と指摘されたら、「てにをは」を正しく覚えてくれたなとわかります。「またか」と言わずに何度でも読んで上げられる環境も素敵だと思います。
子は親の背を見て育つ
「子は親の背を見て育つ」と言われます。両親や祖父母が読書好きなら、子どももいつかは本好きになってくれると思います。私自身、子どもの頃は、テレビやゲームがなかった事もありますが、父が本好きで色々な分野の本を揃えていました。昔の本はほとんどふりがなが付いていたので、結構難しい本も読めましたし、漢字も覚えました。今でも時間があれば読書三昧です。近頃は時代物に集中しています。息子や孫もいつの間にか読んでいるみたいですよ。
寄稿:2014年