考えすぎない育児で育自
山形イグメン共和国 佐藤 慎太郎 さん
山形県山形市周辺に在住する、主に父親による異業種ネットワーク。
父親同士の情報交換、親子で楽しめるイベントの企画を通じて、特に父親が今まで以上に 育児に対して積極的に関わっていくことの社会的意義を発信する。
「イグメン」は「イクメン」の山形訛りで、山形ならではの子育てを楽しくやっていこうという意味 や山形県をイクメンの先進県にしたいとの想いを込めた。
とことんやらせる
育児と言う言葉を聞き、首をすくめる男性、きっと少なくないのでは?生まれた命に感動したのも束の間、次々にやってくる未体験の試練はもちろんのこと、何せ人の一生に影響及ぼすことだから、そりゃあ重さも感じずにはいられません。そもそも自分が立派じゃないんだから、何を見せれば良いかもわからない。
僕も最初はそうでした。そして子どもと向き合って、今はこう思うんです。
「とことんやらせる、できれば止めずに」「自分の楽しいはきっと、子どもも楽しい」
一呼吸だけ我慢してみて
育児をするようになって改めて思ったのは、子どもはこっちが思うよりずっと、生き物として可能性に満ちてるってこと。 危ないと思って止めることが多くなりがちなお母さん達は、お父さんがしっかり見てる限り、もう一呼吸だけ我慢してみて欲しい。「こうしたらもっと上手にできる」と思った時、もう一工程だけ、思うままにさせてあげてみて欲しい。
きっと、子どもたちは、思いもしなかった表情を見せてくれると思います。大成功の笑顔、ヒヤッとした顔、口惜しくっての泣き顔。彼らはきっと、自分でやってみた事で得られる何かをもって、成長していくと思います。
実際、我が家の子ども達は、極力止めない主義のおかげか、生来の野生の血かはわかりませんが、こっちが驚く身のこなしと、人を明るくする笑顔を身につけてくれました。そしてその姿がまた、僕らの育児に自信をくれます。
山形イグメン共和国との出会い
僕には子どもが二人。子育て開始の頃、幸いにも山形ではちょうど、育児に積極的にかかわる男性が集まり、「山形イグメン共和国」が建国されるタイミングでした。家庭の事や仕事の事を“育児をする男性”という一緒の目線で話せる仲間との出会いがありました。
その中で「父子での和菓子教室」の講師を務めさせてもらう機会があり、自分が心から楽しんで菓子を作ると、自然と子どもも楽しんでくれていることや、どんなにぐちゃぐちゃになっても、やっぱり自分で何かを完成までもってきたいのが子どもなんだな、と気付かせてもらいました。年齢は違っても、同世代の子どもを育てる同志として、「仕事ではないつながりがある」というのは育児において、とっても大事なことだと思います。自分と違う人との、思いがけない出会いも、子どもがいると案外身近にあるものです。
何が良くて、何が悪いかはわかりません。情報はもう嫌になるほど溢れてる時代です。迷う事も悩むことも当たり前でしょう。でもやっぱり、答えは目の前の子どもにしかない。画面よりも、目の前の顔を見ながら、精一杯自分が楽しんでる背中を見せて、答え合わせの笑顔に励まされながら、共に育ちたいものです。
||| 山形イグメン共和国 設立のきっかけ |||
(1)メンバーの一人がNPOファザーリング・ジャパン副代表の安藤哲也氏の講演を聞き「この話は 子育て世代の父親にぜひ直接聞いてほしい。もう一度山形に呼ぼう」という話になったこと。
(2)講師の話を聞いて終わるだけでなく、地域の父親達が今後も自律的につながる場作りや 仕掛けも作ろう、ということで共和国を作ることになったこと。
連絡先:otoiawase(a)ymsc-ikumen.net ※(a)を@にしてお送りください
寄稿:2014年